光のもとでⅠ
 何この人、本当に秋斗先輩?
 微妙にというか、非常に幼児化してないか?
「ほら、今口もと緩んだし」
「いや、別の意味で笑いましたけどね。っていうか、こんなこと言ったら翠葉に怒られそうですが、翠葉だってICUに入ってたときはしてましたよ。ここは病院で先輩は病人なんですから別におかしいことじゃないでしょ」
 そんな部分にそこまで食いつかないでくれ、と言いたい。
「なので、そんなことでわがまま言って楓先輩や湊さん困らせないでくださいよ?」
「翠葉ちゃん、やじゃなかったのかな……」
「嫌っていうか、それ以前の問題でしょ? 嫌とか言える状態じゃなければそれを選べる状況でもなかった。だから、そんなことを言ってられる先輩はまだマシってことですよ」
「なるほどね……」
 そこで一度話が途切れた。
「あのさ……翠葉ちゃん、どうしてる?」
「今日、一週間ぶりに登校しました。一時間おきに保健室で休みながら、ですけどね」
「そっか……。傷は?」
 今度は俺が驚く番だった。
「なんで知ってるんだって顔?」
 秋斗先輩は言って苦笑する。
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