光のもとでⅠ
「秋斗さん……私、秋斗さんのことが好きです。でも、今は学校に通うことと身体を復調させること、それだけで手一杯なんです――ほかのことが考えられなくなるくらい。何度も考えようとしたんですけど、どうしても答えが出なくて……」
 彼女は一生懸命言葉を紡いだ。
「うん、そうだよね……」
「だから――」
 いいよ、その先は俺が言う。
「翠葉ちゃん、付き合うとかそういうの、なしにしよう。でも、俺は君が好きだから。それと、君との距離の取り方は俺の課題。翠葉ちゃんが悩むことじゃない。俺がその距離を見つけるから、君は学校へ通うことと身体のことだけを考えればいい。それでいいんだよ」
 大きな目からポロリポロリと雫が落ちる。
 それでも彼女は俺の目を見ていた。
 こういう場で逃げる子じゃない。だから、惹かれた。
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