光のもとでⅠ
けれど、見え隠れする翠葉の心――解離性障害なのかどうなのかの見極め。
そういうのもあるのかもしれないと思うと、それ以上何かを言うことは躊躇われた。
もちろん夜中だったけれど父さんに電話で相談した。
父さんは長い沈黙の末、湊先生に任せよう、と一言吐き出した。
「娘の生死がかかっているのにっ!?」と食ってかかれば、
「こんな状態でも、説得しようとしてくれていることに頭が下がる」
父さんは苦しそうに口にした。
「翠葉はなかなか本音を言ってくれないからな……。心の奥底にあるものを引き出そうとしてくれているんだろう」
そんなふうに言われると、俺も何も言えなくなってしまった。
決して油断しているわけでも躊躇しているわけでも、ましてや見放しているわけでもない。
ただ、今後の家族関係や何もかもを考えて、翠葉の意思で病院に入れたいと言ってくれている。
それがわかってしまったのだ。
そういうのもあるのかもしれないと思うと、それ以上何かを言うことは躊躇われた。
もちろん夜中だったけれど父さんに電話で相談した。
父さんは長い沈黙の末、湊先生に任せよう、と一言吐き出した。
「娘の生死がかかっているのにっ!?」と食ってかかれば、
「こんな状態でも、説得しようとしてくれていることに頭が下がる」
父さんは苦しそうに口にした。
「翠葉はなかなか本音を言ってくれないからな……。心の奥底にあるものを引き出そうとしてくれているんだろう」
そんなふうに言われると、俺も何も言えなくなってしまった。
決して油断しているわけでも躊躇しているわけでも、ましてや見放しているわけでもない。
ただ、今後の家族関係や何もかもを考えて、翠葉の意思で病院に入れたいと言ってくれている。
それがわかってしまったのだ。