光のもとでⅠ
 お母さんと蒼兄が病室を出てからひとり考える。
 私、少しずつ前へ進めているのかな……。
 自分ではわからない。
 同じところをぐるぐる回っている気がするし、時々後ずさりしている気もする。
 でも、進まなくちゃいけないとは思っていて――。
 テーブルに置いた携帯が目に入る。
 ……ツカサに電話しよう。
 これからの治療のことと秋斗さんのことを聞いてもらおう。
 勉強しているかな? 邪魔になるかな……。
 でも、聞いてもらいたい――。
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