光のもとでⅠ
「昇と相馬先生も一緒にここでご飯にしていいかしら?」
 栞さんに訊かれてコクリと頷く。
 ふたりは応接セットの方へ行き、栞さんが持ってくる夕飯を待っている。
 まるで、口を開けたヒナ状態。
 大柄なふたりがそんな調子であることがとてもおかしかった。
「嬢ちゃん、ご機嫌だな?」
「はい」
 返事をすると、相馬先生は柔らかな笑みを見せてくれた。
「警戒されてたのが解けるっていいもんだな」
「でも、警戒していたのはお互い様、ですよね……?」
 先生は、「まぁな」と笑った。
 ただひとり、昇さんだけが面白くなさそうな顔をしている。
「こんな早くに打ち解けるとは思ってなかったぞ」
「わかるやつにはわかんだよ」
 相馬先生がケラケラと笑うと、栞さんが戻ってきて四人でのご飯になった。
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