光のもとでⅠ
「まさか……車の中でずっとバイタルを見ていたんですか?」
「ほかにできることはなかったし、とても目を離せるような状態でもなかった」
 申し訳ないと思った。
 自分がしたことよりも、そんな長時間、一緒にいるわけでもないのに、私の発作に付き合わせてしまったことが。
「ごめんなさい……」
「翠葉ちゃん、謝らないでほしい。これは俺が作りたくて作ったものだし、自分に送信し続けているのも俺のわがままだ」
 一度口を閉じてから、
「発作がおさまったとき、司を迎えに行かなくちゃいけないと思った。……どうする? ここからはおまえが話すか?」
 ツカサは少し考えてから、「そうする」と答えた。
< 2,706 / 10,041 >

この作品をシェア

pagetop