光のもとでⅠ
 少しだけ時間をもらえないだろうか。
 思い出せるか――それは今もわからない。
 でも、きっとふたりは大切な人になっていくから……。
 記憶がなくてもまた築けるだろうか。
 少し前の私が築いてきたような関係を、再び築くことができるだろうか。
 できるなら、今度は誰も傷つけたくない
 きれいごとすぎるかな……。
 でも、でもね……今までたくさん傷つけてしまったのならなおのこと、これからはひとつも傷をつけたくはない。
 思い出す努力をしないわけじゃない。
 過去に自分がしてしまったことから逃げるわけでもない。
 ただ、それらがあっても離れていかないと言ってくれたふたりだから……。
 これからはひとつも傷をつけたくないの――。
< 2,812 / 10,041 >

この作品をシェア

pagetop