光のもとでⅠ
 最悪……頭が痛くなってきた。
「なんだ、姫さんは昇から俺が来るって聞いてなかったのか?」
 腕のいい医者とは聞いていたが、名前は聞いていなかった。
 不覚――。
 首にぶら下げていた院内PHSで昇の番号を呼び出す。
『なんだよ……』
 寝ていたであろうことはわかる……。
 がっ、それどころじゃないっ。
「昇っ、こいつが来るなんて聞いてないっっっ」
『はぁ? ……あぁ、もしかして相馬が着いたのか?』
 もしかして、とか到着した、とかそんな問題ではない。
「とっとと来いっっっ」
『へーへー……』
 そんな会話をしている間に相馬は翠葉に自己紹介を迫っていた。
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