光のもとでⅠ
 階段を下りながら言われる。
「翠葉ぁ、もう少し俺らのこと頼ってくんね?」
「……いつも助けられているのに、これ以上だなんて――」
「迷惑だなんて思ってないし、自主的行動のうちだから」
 司先輩がそう言い切った。
「あぁ、それそれ。俺らやりたくてやってるんだよ」
 司先輩の言葉に海斗くんが乗じる。
「因みに、特別扱いにも当てはまらないから」
「そうそう。友達が具合悪かったら手を差し伸べるのが当たり前」
 そんなことも知らないのか、ってふたりに言われてる気分。
「……ごめんなさい……」
「「言葉間違ってる。こういうときは……」」
 見事にふたりの声がはもった。
「…………ありがとう?」
「「正解」」
 答えはわかっても、それをどうしてか自分が受け入れられない。
 保健室に着くと、すぐにベッドに寝かされた。
「今は余計なことを考えるのはやめて少し休め」
 司先輩がそう言うと、カーテンを出ていく音がして、そのまま保健室のドアが開いて閉まる音がした。
「司の言うとおりよ。今は休むこと。点滴の用意するからちょっと待ってなさい」
 湊先生の声を聞くと、そのまま眠りに落ちた。
 このタイミングで連れてきてもらわなければ、四限の途中で気を失っていたんだろうな。
 薄れ行く意識の中で、そんなことを思った。
< 284 / 10,041 >

この作品をシェア

pagetop