光のもとでⅠ
 そんなことを思いつつ、
「いい部下連れてますね」
 静の肩に右腕を置いて笑う。と、
「いい人材ではあるが、時々俺には優しくない」
「くっ、おまえずいぶんと人間らしくなったな?」
「俺は生まれたときから人間だ。……用件はそれだけだ」
「了解。秋斗くん、早く見つかるといいな」
「あぁ、ここへ来ていないのなら奥の手を使うことにする」
 そう言って小道へと消えていった。
「奥の手、ねぇ……」
 おまえの奥の手はいったいいくつあるんだろうな?
 そんなことを考えながら、もう一度祠に向き直って手を合わせる。
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