光のもとでⅠ
むっとしている顔の翠もめったには見られない。
貴重だけど、そろそろ座ってもらいたい。
自分の隣のスペースを手で軽く叩く。
「歩きまわってもいいのかもしれないけど、立ちっぱなしは良くないだろ?」
翠はコクリと頷きそのスペースに座った。
「何か聞いた?」
「え?」
「うちの両親から」
あまり変なことは聞いていないことを願う。
もしくは父さんに尋ねられたことをペラペラ答えるとかも勘弁願いたい。
「……とくには何も」
「ふーん……」
「……だって、百聞は一見にしかず、なんでしょう? 私は、会って話をしてツカサを知りたいから、たぶん、誰かにツカサのことを訊こうとは思わないと思う」
――不意打ちって、こういうことを言うんだろうな。
貴重だけど、そろそろ座ってもらいたい。
自分の隣のスペースを手で軽く叩く。
「歩きまわってもいいのかもしれないけど、立ちっぱなしは良くないだろ?」
翠はコクリと頷きそのスペースに座った。
「何か聞いた?」
「え?」
「うちの両親から」
あまり変なことは聞いていないことを願う。
もしくは父さんに尋ねられたことをペラペラ答えるとかも勘弁願いたい。
「……とくには何も」
「ふーん……」
「……だって、百聞は一見にしかず、なんでしょう? 私は、会って話をしてツカサを知りたいから、たぶん、誰かにツカサのことを訊こうとは思わないと思う」
――不意打ちって、こういうことを言うんだろうな。