光のもとでⅠ
 ただ、この輪に参加していないひとが約一名――ツカサだ。
 ツカサに視線を移すと、窓際の席で、何やら険しい顔をしてパソコンディスプレイを見ていた。
 立ち上がりはせず、立て膝でちょこちょことツカサのもとまで行くと、「何」と視線で訊かれる。
「あっちで一緒にお弁当食べよう?」
「……何あそこ。遠足みたいになってるけど……」
 ツカサは少し顔を引きつらせた。
「あぁ、そういえばどこかにレジャーシートあったよね? 確かアニメのキャラクターが描かれたやつ。キャラクターの上に司を座らせたいよなぁ……? ぜひ、つ、か、さ、に座らせたいよなぁ?」
 言いながら加納先輩が立ち上がった。
「翠、あの人のこと名前で呼んでやって」
「え?」
「いいから早く」
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