光のもとでⅠ
「青木に聞いた。これで呼び出された回数が十一回目だって」
 ツカサは無表情に戻り、訊くでもなしに口にする。
「数えてないからわからないけど、まだ十回はいってないと思う……」
「あら、間違いなく十一回目よ? 風紀委員できちんとカウントしてるもの。呼び出した人間のクラスも名前も明白」
 青木先輩がメモを取り出し、再度数えては、
「間違いなく十一回、十四人」
「呼べよっ」
 こめかみに血管が浮き出そうな勢いでツカサに怒鳴られた。
 さっきの無表情は繕っていただけ……?
 でも――。
「やだ」
「っ……翠――」
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