光のもとでⅠ

01 Side Akito 02話

「んじゃ、話の続きを聞かせて?」
 そんな一言で話はもとに戻る。
 十階に着いてからのことはごまかそうと思えばいくらでも端折って話すことができた。
 けど、そうすることで、ここへ来たことの意味なかったことになってしまう気がして、ひとつも残らずすべて伝えることにした。
 俺の脳裏には、今も鮮明にあのときの会話が残っている。
 それをそのまま話すのみ――。
 ごまかしたり逃げたり、そういうのはもういい。
 何より、この人にはそんなものは通用しないと思うし、また、そういう自分は見せたくない。
 自分と翠葉ちゃんの会話。
 そして、藤原さんとの会話。
 起こったこと、話した会話、すべてを話した。
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