光のもとでⅠ
 最後、藤原さんに支えられながら、「ごめんなさい」と口にした君。
 今でもすまないと思ってる。
 君が謝る必要などなかったのに……。

 翌日の午前中、静さんから連絡があった。
 彼女が倒れ、俺と司の記憶をなくしたと……。
 俺はそれ以上のことを知らない。
 そのあと、彼女がどう過ごしているのかも知らない。
「そうか……ありがとう。だいたいの流れはわかった。でも、君が原因で翠葉が記憶を失うのだったら、十階に移動したその日のうちでもおかしくはなかったよね? もしかしたら、翠葉が記憶をなくした理由はほかにあるのかもしれないよ?」
 ほかになんてあるわけがない――。
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