光のもとでⅠ
「何を……」
「人は運動をすると血液循環量を増やさなくちゃいけない構造になっています。でも、私の身体はそれができない。だから、走ったあとには倒れるでしょう。倒れることで血圧数値がもとに戻ってくれれば問題はないのですが、最悪、心肺停止になる可能性があります。その前に、あなたが救急車を呼ぶなり、湊先生に連絡を取っていただけるなら、見せることは可能です」
 ふざけるな……。
 他人事みたいに話すなっ。
 それは翠の、ひとつしかない身体なんだぞっ!?
 そう思った次の瞬間、青木が介入した。
「それはいただけないわよ」
 木から飛び下りたというのに、着地音が軽すぎ。
「あなた、とんでもないことを提案するのね?」
 本当に……。
 とんでもない提案とはこういうことをいうのだろう。
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