光のもとでⅠ
 血圧じゃなくて痛み……。
「我慢しろ。どうやってもここから駐車場まではこの方法でしか運べない」
 そう言って、無理やり横抱きにして立ち上がると、図書棟まで戻りエレベーターで一階へ降りた。
 そこにはすでに秋兄の車が止まっており、姉さんも同乗している。
「痛み?」
 翠は姉さんの問いかけに浅く頷く。
 痛みのせいで全身が硬直しはじめていた。
 あらかじめ倒してあった助手席に翠を寝かせると、秋兄がシートベルトをしてすぐに車を出した。
 俺はここまで――。
 走り去る車を見送り図書棟に戻ろうとしたら、エレベーターに乗る際に一緒に来てくれた三年のクラス委員長ふたりが「大丈夫なの?」と心配そうに訊いてきた。
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