光のもとでⅠ
 翌日も蒼兄が早朝ランニングから帰ってくる音で目が覚めた。
 蒼兄は帰ってくると、私の顔を見るためにこの部屋へ立ち寄る。
 きっと、ここにいる間はそれも日課のひとつになるのだろう。
 今朝も葵さんを誘っていったらしい。
「仕事の前に迷惑じゃない?」
「どうかな? でも、なんだかんだ言っても葵は体動かすの好きだと思う」
 気心知れた間柄とはこういうことをいうのだろうか。
 そんな葵さんと私も話してみたい。
「今日、秋斗先輩の家に移動するとき、葵が手伝うって言ってたからあとで会えるよ」
「本当っ?」
「嬉しそうだな。その時間、崎本さんは席が外せないらしくてフリーで動けるのが葵だけみたい」
「なんだか迷惑ばかりかけてて申し訳ないね……」
「葵に対してはそんなふうに思わなくていいよ」
 そんな話をすると、蒼兄はシャワーを浴びてくる、と部屋から出ていった。
 その数分後に栞さんがやってきて、数十分後には湊先生がやってきた。
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