光のもとでⅠ
 栞さんはオレンジ色のロングスカートに白いタンクトップ。見ただけで元気になれそうなビタミンカラー。
 湊先生は湊先生らしいモノトーンの組み合わせ。黒いストレッチパンツにグレーのノースリーブ。それにいつか見た大ぶりのクロスネックレスをしていた。
 ただでさえ長い手足がよりいっそう長く見える。
 きれいで格好良くて羨ましい。
 点滴を入れられながら、
「良かったわね」
「え?」
「秋斗よ。やっと甘えられるじゃない」
「甘えるって……どうするんでしょう?」
「甘え方、か……それは難しい。私も甘えられる性質じゃないからなぁ……。でも、あんたが甘えなくてもあの男が甘やかすでしょ。甘え方は秋斗に教わりなさい」
 秋斗さんはいつでも甘い。初めて会ったときから甘かった。
 きっと誰にでもそう。
 ……私もいつかは誰かに嫉妬するんだろうか。
 そういうのはなんとなく嫌かな……。
 かといって、「ほかの子に優しくしないで」とは言えそうにない。
 胃痛の種になったらどうしよう……。
 そうこうしているうちに、昨日と同じく私の部屋での朝食が始まった。
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