光のもとでⅠ
「翠……」
 低く静かな声が耳もとに響く。
 この際、心音じゃなくてこの声でもいい。
 この声が好き。
 聞くと無条件で落ち着ける声。
 ツカサに両手を取られ、またダイレクトに着信音が聞こえ始めた。
 じわり、と涙が浮かび、視界がぼやける。
 けど、ツカサの声も着信音と同じくらいダイレクトに聞こえた。
「詰めが甘すぎ。自分を追い詰めるようなことをして、最後まで身が持たなかったら意味がないだろ」
「……だって、どれもつらかったの。訊かれないことも隠しておくことも打ち明けることも――本当は誰にも何も気づいてほしくなかった」
 でも、そうやって見て見ぬ振りをすること自体、長くは続かなかっただろう。
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