光のもとでⅠ
「へぇぇぇぇぇ……」
「ほぉぉぉぉぉ……」
「ふぅぅぅぅぅん……」
 テスト期間外で勉強を教えてもらうのはおかしいことなのかな。
「……やっぱり、ノートを取ってくれたみんなに教えてもらうべきだった?」
 不安に思って訊くと、
「別にそういうわけじゃないよ」
 海斗くんも不思議な反応を示したひとりだったけれど、笑顔で否定してくれた。
「俺は今回ノート取ってないからそれくらいしたかったけど、翠葉が困ってないならそれでいいや」
 そんな話をしていると川岸先生が入ってきて、佐野くんが機敏に動く。
 自席へ戻るとすぐに、「起立、礼、着席」と号令をかけた。
 その声を聞いて思う。
 今日も一日が始まる――。
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