光のもとでⅠ
「でも、『おかえり』を言うのは私のはずなんだけど?」
「あ……」
 思わず顔を見合わせて笑う。
「リィも後ろに乗ったら?」
「うん、ありがとう」
 唯兄の勧めもあり、助手席ではなく後部座席に座った。
「じゃ、唯? 安全運転でお願いね! 美しいお母様とかわいい妹君が乗ってるんだから!」
「う゛……急に車が重くなった気がする。あっ、ハンドルが重くて動かないっ!」
「なーに言ってるのよ。ラパンならうちのりっちゃんだってサクサクハンドル捌くわよ!」
「だって俺、そこらの女よりも女の子らしいものっ! 料理洗濯掃除オールクリア! いつでもお嫁に行けるよっ!」
「ぷっ……それは言えてる。今度唯を女装させたいわね」
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