光のもとでⅠ
「ちょっと、藤宮センパイ。なんなのかしら?」
桃華が司をセンパイ付けで呼ぶなんて、よほど頭にきていると見た。
こめかみのあたりがひくついて見えるのは気のせいじゃないと思う。
「翠はこのあと病院」
司が一言答えると、桃華も黙った。
このあとが病院なら翠葉は引き止めておけない。
翠葉の体調が本調子じゃないことなんてみんなわかっていたから。
司が教室を出たあと、桃華に名前を呼ばれた。
満面の笑みを湛えた表情で。
「数分後には高崎空太の身柄を確保」
「イェッサー」
司が行けば空太は翠葉と離れるだろう。
……そのまま帰してなるものか――。
桃華が司をセンパイ付けで呼ぶなんて、よほど頭にきていると見た。
こめかみのあたりがひくついて見えるのは気のせいじゃないと思う。
「翠はこのあと病院」
司が一言答えると、桃華も黙った。
このあとが病院なら翠葉は引き止めておけない。
翠葉の体調が本調子じゃないことなんてみんなわかっていたから。
司が教室を出たあと、桃華に名前を呼ばれた。
満面の笑みを湛えた表情で。
「数分後には高崎空太の身柄を確保」
「イェッサー」
司が行けば空太は翠葉と離れるだろう。
……そのまま帰してなるものか――。