光のもとでⅠ
 俺もまずは電話だろうか。
 起きてはいると思うが、さすがに無断で入るわけにはいかない。
 緊急時ならいざ知らず、ゲストルームとはいえ、今は御園生家といっても過言ではないのだから。
 エレベーターに乗り通話ボタンを押したら意外なアナウンスが流れてきた。
『おかけになった電話は、電波の届かない場所にあるか、電源は入っていないため――』
 なんで電源を落としている……?
 以前、姉さんに怒られてからは病院以外では電源を落とすということはしなくなったはず。
 サイレントモードで着信に気づかないことはあっても、電源が入っていないということはなくなった。
 九階に着きゲストルームのインターホンを鳴らした。
 わざわざ中から開けてもらわなくてもドアロックを解除することは可能だが、一応それなりの手順は踏む。
 何度か押したけど、応答はなかった。
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