光のもとでⅠ

16~17 Side Akito 01話

『翠葉です』
 部屋に響いた彼女の声がいつもと違った。
 いつもなら、申し訳なさや不満といった声音が含まれるのに、今日はどこか清々しささえ感じる。
 不思議に思いつつドアを開けると、嬉しそうな顔をした彼女が立っていた。
「いらっしゃい」と中へ入れると、
「秋斗さん、聞いてくださいっ!」
 俺が訊くまでもなく話してくれるようだ。
「何かいいことあった?」
 訊けば、入ってきたときより嬉しそうに笑みを見せた。
 こんなに嬉しそうに笑う彼女を見たのはどのくらい久しぶりだろう。
 授業が終わると、楽しそうに笑いながら海斗たちとテラスを歩いて図書棟へ来る。
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