光のもとでⅠ
 すると、次の瞬間にけたたましい音が響いた。
「ほんっと、こんなのなんの役にも立たねえっっっ」
 海斗が自分の携帯を床に叩き付けた音だった。
 その異質な音と怒鳴り声に、カウンター内で作業をしていた放送委員の動作が止り、視線を集める。
 ……相変わらず直情型。
 海斗もバイタルの転送が打ち切られたことを、少なからずとも不服には思っていたのだろう。
「海斗、それを言っても始まらない」
「っ……司はほかに情報持ってんじゃねーのっ!?」
「期待に添えなくて悪いけど、俺も治療中としか聞いていない」
 俺にだってもう、バイタルの転送なんてされていない。
 改めて設定してもらおうとしたら、本人直々に却下された。
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