光のもとでⅠ
「翠葉ちゃんには好きな人がいっぱい?」
 おっと……。
 触覚と尻尾が生えているのは俺と嵐子だけじゃなかった。
 朝陽も参戦するらしい。
 俺は会計作業をしつつも、頭の中ではすでに休憩モードに突入していた。
「はい! クラスメイトも生徒会メンバーも、それから、紅葉祭の準備を通して知り合った人たちも」
 期待を裏切らない返答っていうか、超絶期待を裏切る返答っていうか……。
 さすが翠葉ちゃん、としか言いようのない返答。
 でも、やっぱりこれだけじゃ面白くない。
 見てわかるように、会計作業の手を休め、そっちの会話に混ざる。
 俺の正面には司も座っているからちょうどいい気がした。
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