光のもとでⅠ
 けれども、一度でも目を離したものは食べたらいけないという約束をした時点で、そのプランは使えなくなった。
「本当はね、休憩時間に少しずつカロリー摂取をしようと思っていたの。でも、あらかじめ用意しても目を離したり、封が開いているものは食べたらだめなのでしょう?」
「それなら、休憩時に軽く食べられるものをこっちで用意する」
 司の言う、「こっち」とは藤宮警備で、ということなのだろう。
「ごめん、ありがとう……」
「翠が謝る必要はない。俺たちが一方的に巻き込んだ」
「……そんなふうに言われるのは嫌、かな」
「『そんなふう』がどこにかかるのかが不明瞭」
「『一方的に巻き込んだ』っていう部分」
「それなら違わなくないだろ?」
 違うもの……。
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