光のもとでⅠ
「風間先輩、お久しぶりっす。これなんですが、どうやら男に触れられるのダメみたいなんで、とりあえずあそこら辺に返したほうがいいと思います」
 飛翔くんはビーズクッションが置いてあるあたりを指差した。
「……マジで?」
「……ご――」
 歯がガチガチと震えて言葉にならない。
「……この噂はガセじゃなかったんだな。……なんつーか、それじゃ俺はエスコートできないよね?」
 その言葉に顔を上げる。
「藤宮なら大丈夫なんでしょ? だから、いつも限られた男しか周りにいないんじゃないの?」
 なくした記憶のひとつとして、男性恐怖症っぽい症状があるとは聞いていた。
 そのとき、周りがどう動いてくれたのかも聞いている。
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