光のもとでⅠ
「佐野くん、ごめんね。でも、たぶん……たぶんだけど大丈夫だと思うの」
 何分根拠のない「大丈夫」で申し訳ない。
「あのさ、俺……目瞑っててもいいかな?」
 訊かれてコクリと頷いた。
 佐野くんは深呼吸をしてから手を出し目を瞑った。
 私も深呼吸をしてその手に自分の手を伸ばす。
 左手にツカサの体温を感じながら、静かに右手を重ねた。
「大丈夫なら握ってみろ」
「ん……」
 佐野くんの手を握るけど、何も感じない。
「佐野くん、ありがとう。大丈夫」
 普通に握るよりも力を入れて握り話しかけた。
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