光のもとでⅠ
「ゆいゆいゆいゆいゆいゆいゆいゆい――」
「いや、連呼されても困るんですけど――最後、『うい』に聞こえたし」
「……言い慣れなくて俺が噛みそうなんだよ」
「いやいやいやいや、言いにくい度数なら若槻のほうが上じゃないですかっ!?」
 徐行しつつ車を進めると、この場の責任者が出てきた。
「お疲れ様です」
「おはようございます。問題はないと思うけど、一応車両チェックだけお願いします」
「かしこまりました。そのままお進みください」
 車両チェックを受けたあとは、学園敷地内の環状道路を走り、いつもどおり教職員用の駐車場に停める。
 車を降りるとき、ドリンクホルダーを見て思い出す。
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