光のもとでⅠ
 さらには両手を使ってまで否定しようとしているのかなんなのか……。
 これでは俺が慌て戸惑う以前に、目の前のてんぱってる人間を救出しなくてはいけない心境にならざるを得ない。
 ……もしかして、朝陽とあんな会話したあとからずっとこんなことを考えていたわけじゃないよな?
 俺は深くため息――ではなく、深呼吸をしてから翠に話しかけた。
「翠、面白すぎるから少し落ち着け……」
「私は全然面白くないっ」
 いや、そういう問題じゃなくて……。
 とにかく落ち着け、と言いたい。
「あぁ、これで本人が面白がってたら白い目で見てやる。それこそ奇人扱いだ」
 実際には奇人以上に変な扱いをしてやりたいところだが……。
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