光のもとでⅠ
 心拍は少し速いくらいで割と安定している。
 具合が悪いわけじゃない。
 今日は、俺も翠も情緒不安定なんだろうか……。
「ちょっと藤宮司っ、どうなってるのよっっっ」
 息を切らした簾条に怒鳴られた。
「そんなの俺が知りたい」
 本音だった。
 簾条はスクエアステージの奈落を仕切っているため、今の翠の状態をモニターで見て、現場を放ってこっちに来たのだろう。
 簾条も俺と似たり寄ったりだ。
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