光のもとでⅠ
 翠葉の部屋に入ると、俺は自分から訊くべきか翠葉が話し出すのを待つべきかに悩み、声をかけてくれたのなら訊いてもいいんじゃないか、と答えを導き声をかけた。
「何かあった?」
 翠葉は俺の顔を見ると今にも泣きそうな顔になり、今日の心拍数の変化には何か理由があるんだな、と確信した。
「翠葉が言ってこなければ訊かないでいるつもりだった。これはそういうふうに使うものじゃないと思うから」
 そういうの、翠葉が気にしているかどうかはわからないけど、一度きちんと話しておきたかった。
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