光のもとでⅠ
昨日の露骨さと比べたら幾分かはよくなったものの、「いつもどおり」とはいかないらしい。
それでも、指定席にとんぼ玉が鎮座しているのを見ると安心する。
とんぼ玉はいつものように髪を結うのに使われていた。
会計に頭を使わない分、空き容量ができた脳は「翠」というソフトを起動する。
が、立ち上げた途端に動作が重くなる。
起動した瞬間にフリーズしないあたり、OSソフトが未対応というわけではなくメモリ不足というところだろうか。
そんなことを考えながら、窓に映る翠の後ろ姿を見ていた。
「姫ー、巡回行くよー」
図書室の入り口から青木が声をかけると、
「あ、今行きますっ」
翠はデータに保存をかけて席を立った。
それでも、指定席にとんぼ玉が鎮座しているのを見ると安心する。
とんぼ玉はいつものように髪を結うのに使われていた。
会計に頭を使わない分、空き容量ができた脳は「翠」というソフトを起動する。
が、立ち上げた途端に動作が重くなる。
起動した瞬間にフリーズしないあたり、OSソフトが未対応というわけではなくメモリ不足というところだろうか。
そんなことを考えながら、窓に映る翠の後ろ姿を見ていた。
「姫ー、巡回行くよー」
図書室の入り口から青木が声をかけると、
「あ、今行きますっ」
翠はデータに保存をかけて席を立った。