光のもとでⅠ
『仕事は片付いたのよね?』
「うん」
『じゃぁ、あとは考えごとなのね?』
「……うん」
『……いってらっしゃい。ゆっくり考えてらっしゃい。たまにはひとりになる時間も必要だわ』
 お母さんはそう言うと、また木田さんに代わるように言い、木田さんに換わると話はまとまったようだった。
「責任をもってお嬢様をお連れいたしますので、どうぞご安心ください」
 それで通話が切れた。
 私は手元に返ってきた携帯をいくつかの操作をしてメール画面を起動させる。
 ツカサにメールを打つために――。
< 7,227 / 10,041 >

この作品をシェア

pagetop