光のもとでⅠ
 謝ったら、秋斗さんはきっと謝る必要はないと言うだろう。
 それか、私の気持ちを汲んで「許す」と言ってくれる人。
 謝ったところで、許してくれると言われたところで、この罪悪感から解放されることはない。
 きっと、どうすることもできず、ずっと心の中に持ち続ける。
 人を傷つけたら、それはどんな形になってでも自分に返ってくる。
 今私がつらいのは、秋斗さんを傷つけたからほかならない。
 だから、つらいなんて言えない。
 人に助けなんて求められない。
 自分がしたことをなかったことにはできないのだから。
 学校に着いても蒼兄は心配そうな顔をしていた。
「蒼兄、おまじないしてあげようか?」
 私は思いつきでそんな言葉を口にした。
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