光のもとでⅠ
「起きているときは掻いてないわよね?」
「はい……。たぶん、一度も掻いてはいないと思います。だって、ヒリヒリして触りたくなんてなかったから」
栞さんは頷くと、
「夜や寝るときだけは手にタオルを巻きましょう」
栞さんの話だと日焼け止めのアイテムに使われるような五本の指が自由になる手袋じゃ意味がないのだとか。
手につけるのならミトン状のものか、指の動きを制限する必要があると言われた。
「何その包帯……」
司先輩が部屋の入り口で目を見開いていた。
「あ……えと――」
つい栞さんの顔を見てしまう。説明などできるわけがない。
「キスマーク見られたくないのはわかるけど、それは過剰すぎるんじゃない?」
何を答えることもできず言葉に詰まっていると、
「司くん、違うのよ。今、首を怪我しているの。だからマッサージも首は避けてね」
栞さんの言葉では司先輩は納得しなかった。
「普通首なんて怪我しないですよね」
当たり前すぎる言葉が返された。
「はい……。たぶん、一度も掻いてはいないと思います。だって、ヒリヒリして触りたくなんてなかったから」
栞さんは頷くと、
「夜や寝るときだけは手にタオルを巻きましょう」
栞さんの話だと日焼け止めのアイテムに使われるような五本の指が自由になる手袋じゃ意味がないのだとか。
手につけるのならミトン状のものか、指の動きを制限する必要があると言われた。
「何その包帯……」
司先輩が部屋の入り口で目を見開いていた。
「あ……えと――」
つい栞さんの顔を見てしまう。説明などできるわけがない。
「キスマーク見られたくないのはわかるけど、それは過剰すぎるんじゃない?」
何を答えることもできず言葉に詰まっていると、
「司くん、違うのよ。今、首を怪我しているの。だからマッサージも首は避けてね」
栞さんの言葉では司先輩は納得しなかった。
「普通首なんて怪我しないですよね」
当たり前すぎる言葉が返された。