光のもとでⅠ

01 Side Tsukasa 02話

「コーヒーでも飲まないか?」
 兄さんの言葉にリビングへと移動した。
 俺がコーヒーを淹れていると、キッチンカウンターの向こうから確認するように声をかけられた。
「キスをしたってさ、それ、合意のうえで、だよな?」
 またしても困ることを……。
 結果オーライな感じではあるが、色々と順番を間違えた感が否めない。
 あのとき俺は、翠が誰を好きかも知らずに衝動のままにキスをした。
 たぶんだけど、キスをしたうえでの告白でなければ、何か都合よく勘違いされて終わった気がする。
「もしかして無理矢理なわけ?」
 兄さんの目が細まり鋭いものへと変わる。
「秋斗を見てきたからそれだけはしないと思っていたけど……」
 咄嗟に「違う」と否定しそうになった。
 でも、実際には何も違わない。
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