光のもとでⅠ
「……からかわずに聞いてくれるなら話す」
「真面目な話ならからかったりしない」
 声にも表情にも、こちらを面白がる雰囲気がないから話そうと思えた。
 会話の内容は話さず、流れのみを話せばいい。
 端的に話すと、
「ま、それなら目を瞑るかな? ……っていうか、なんだ。ちゃんと両思いって結果つきだったんだ? 昨日、どれだけつついても全然吐かないからまだ返事もらってないのかと思ってた」
 兄さんはコーヒーを一口飲むと、
「良かったな」
 からかいも何も含まない声音に表情だった。
 ……もう、この際だ。最悪ついでに訊いてもいいだろうか。
 学校の連中には口が裂けても相談なんてできないことを。
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