光のもとでⅠ
 腹立たしさだけを感じていると頭の回転は鈍るらしい。
 秋斗さん曰く、その迷惑甚だしい再選択という話を会長は司っちにさせたいんじゃないか、と言う。
 司っちにその役を任せたいんじゃないのか、と。
 今、俺の脳内には「秋斗虫」という性質の悪い虫が湧いていて、それらがうねうねと縦横無尽に練り歩いている。
 この人、俺を混乱させて楽しんでないか?
 そう思うくらいには頭の中がぐちゃぐちゃだ。
『まるで用意された舞台みたいだろ?』
 俺はしばし無言になる。
 その役を司っちにやらせたところでどこにどんな得がある? 益がある?
 リィが会長のお気に入りというのはこの際無視。
 だって、もう一度機会を与えられようが何をしようがリィの答えが変わるとは思えない。
 だいたいにして、会長も秋斗さんもリィを甘く見すぎ。
 リィは関わると決めたことを反故にしたりしない。
 今回リィが出した答えをそんなにも疑っているのだろうか。
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