光のもとでⅠ
 俺はプログラミングに全力を注ぐのみ。
 リィの携帯には藤宮の要人たちの情報が入っている。
 でも、携帯の番号なんて出回ったら出回ったで手放せばいいだけのこと。
 トカゲの尻尾切りができる代物だ。
 面倒だけど、すごく困る事態には陥らない。
 ウィルスがばら撒かれるとは考えにくい。
 だって、今回の相手はそんな相手じゃないのだから。
 それでもありとあらゆる手を尽くしたのは、この件で罪人を出さないため。
 司っちは佐々木の姪がどうなってもかまわないような口ぶりだったからね。
 リィさえ守られればそれでかまわない、そんな感じだった。
 気持ちはわからなくもない。
 でも、それじゃダメだ。リィが悲しむ。
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