光のもとでⅠ
 リビングへ移動すると、翠がビニール袋から買ってきたものをひとつずつ取り出す。
 俺の前にはブラックの缶コーヒーとサンドイッチがふたつ。翠の前にはサンドイッチがひとつ置かれた。
「サンドイッチじゃなくておにぎりのほうが良かった? 昨夜、何を食べたのかまでは考えてなかったの」
「いや、いい」
 さっきキッチンで首を傾げながら見ていたのは、昨日食べたピザの箱だったのかもしれない。
 ひらり、とテーブルに落ちたレシートに手を伸ばす。と、それにはこのテーブルにあるものがすべて記載されていた。
「これ、会計が全部一緒なんだけど……。まさか翠が払ってたりしな――」
「あ、違うの」
 珍しく、言葉の途中で遮られた。
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