光のもとでⅠ
「翠葉、明日から学校に行っていいわよ。ただし、二限からね」
 ソファに座る湊先生に声をかけられて視線を移す。
「はい。……でも、どうして二限から?」
「薬飲むと眠くなるでしょ? だから一限は保健室で休んで二限に出たら三限を休む。四限に出てお昼を食べたら薬を飲む。だから五限は休んで六限に出る。七限は休んで八限に出る。OK?」
「……はい」
「今までどおり、行きは蒼樹と一緒に登校しなさい。帰りは……そうね、コンシェルジュにでも頼めばいいわ」
「自分が迎えに行けるときは行きますよ?」
 若槻さんが申し出てくれる。
「でも、すごく忙しいのでしょう?」
「忙しくても気晴らしは必要なんですっ」
「ま、そこは若槻とコンシェルジュチームで連携しておいて」
「了解でーす!」
 和やかに食事は進むというのに、いつもとメンバーが少し違うだけで、こんなにも落ち着かないものだろうか。
 けれども、そう感じているのは私だけみたいだった。
< 838 / 10,041 >

この作品をシェア

pagetop