光のもとでⅠ
「翠葉ちゃんのご両親ってすてきな人たちね」
「え……?」
「ごく稀にいるのよ。反抗期って反抗期がない子。それはね、親が子供を抑えつけず肯定してあげられているからなの。もともと反抗、反発するのは、反対されるからであって、反対されなければ反発することはないのよ」
 言われていることは理にかなっているのかもしれないけれど、少し難しい。
「翠葉ちゃんは自分のご両親のことをどう思ってる?」
「……割となんでも自由にさせてくれます。どこか放任主義みたいなところがあって……。自分の決めたことは責任を持ってがんばりなさい、って言われます。相談にはのってくれるけど、最終的にな判断は自分がしなさいって……」
「放任主義、か。――そうね、そういう言葉もあるわね」
 先生はポツリと口にした。
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