光のもとでⅠ
 佐野くんが口元を引きつらせ、
「……っていうか、何? ふたりって、いっつもあんなテスト勉強させられてたの?」
 それはつまり、苦手な科目や意地悪な問題を制限時間内に解け、と言われることだろうか。
「いや、翠葉は毎回ってわけじゃないよ。体調によりけりな感じ。それに、司って翠葉の理系だけは手放しだし」
「海斗はっ!?」
「ハハハ……俺は全教科制限時間の刑。中等部のときから欠かすことなく毎回……。残念なことに、というか、ありがたいことに、というか……」
「……俺、マジ、別枠でよかったわ」
 勉強を始めるとき、ツカサが佐野くんに訊いたのだ。
「一緒にやるなら佐野もふたりと同じものやるか?」
 と。
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