光のもとでⅠ

36

 パレスに行ったらツカサとも秋斗さんとも会うことになる。それからふたりのおじいさん、藤宮財閥会長にも――。
 緊張に比例して呼吸が浅くなる。ゆっくりと、深い呼吸をしようとするとツカサの声が頭に響く。
 落ち着こうと思うと反射的に「十」を数えようとしてしまうから……。
 学期末大掃除以来、ツカサには会っていない。
 メールも電話も、一切の連絡を取っていなかった。
 こんなに長い間会いもせず、連絡も取らないのはどのくらいぶりだろうか……。
 考えて気づく。
 長いと思った期間が六日しかないことに。そして、六日以上会わず連絡取らずの時期があったことを思い出した。
 それは夏に幸倉へ帰ってきたとき――。
< 8,813 / 10,041 >

この作品をシェア

pagetop