光のもとでⅠ
「いい加減学習しろ。こっちも何度も同じことを言うのは疲れてきた」
 そんな言葉すら嬉しかった。
 学校の授業は一教科五十分だけど、ツカサが教えてくれると不思議と三十分くらいで終わってしまう。
 理系に関しては二十分とかからなかったおかげで苦手な文系に時間を費やすことができた。
 三時間で七教科を終わらせることができるとは思ってもみなくて、全部が終わってから少し放心状態だった。
「九時か……。今日はもう寝たら?」
「ん……遅くまでごめんね。ありがとう」
「不安は?」
「……なくなった」
「そう。じゃぁ、帰る」
「ありがとうっ」
 ツカサはチラとこちらを見て、「早く寝ろよ」と病室を出て行った。
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