光のもとでⅠ
 バスの到着を待ち望むように環状道路を見る彼女の後ろからカミングアウト。
「ごめんね。友達との会話は全部聞いてた……」
「っ……」
 背後から華奢な肩を押さえた。抱きしめたい気持ちを抑えて。
「でもね……君にはそのままでいてほしい。何を変えようと思わなくていい。何を変えずにいようと思わなくていい。俺は、そのままの君が好きだから。そのままの君でいて。無理はしないで……」
 バスが緩やかに停車し、ドアが開く。
 俺は彼女の背を押した。
 こんなふうに心の後押しをしてあげられたらいいのにね。
 心は触れようと思って触れられるわけではないから、だから難しい――。
 俺はあえてバスには乗らず、そのバスを見送った。
 どうか、そのバスが……彼女の行き先が司へと向かいますように。
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