光のもとでⅠ
なるほど、これは確かに飲み込みが早い。
「踵から着地して重心移動をスムーズにね」
「はい」
素直な返事が耳に心地よく響いた。
「うん、いいね。歩幅が広がった。残るは視線かな? 不安だからといって視線を足元に落とさないように。ここはホテルの中だから足元に障害物はないよ」
「でも……」
「騙されたと思って十メートルくらい先。回廊のカーブのあたりを見て歩いてごらん」
ほら、と促すと、彼女は少しずつ視線を上げた。
その様は、顎を少し引いた状態でとても美しく見える佇まい。
数歩歩くと、歩幅が広がり進むペースが上がる。
「どう? 騙された気分は」
笑いながら訊ねてみると、
「あの……すみませんでした」
「ん?」
「……騙されてませんでした」
かわいらしい謝罪に破顔する。
「踵から着地して重心移動をスムーズにね」
「はい」
素直な返事が耳に心地よく響いた。
「うん、いいね。歩幅が広がった。残るは視線かな? 不安だからといって視線を足元に落とさないように。ここはホテルの中だから足元に障害物はないよ」
「でも……」
「騙されたと思って十メートルくらい先。回廊のカーブのあたりを見て歩いてごらん」
ほら、と促すと、彼女は少しずつ視線を上げた。
その様は、顎を少し引いた状態でとても美しく見える佇まい。
数歩歩くと、歩幅が広がり進むペースが上がる。
「どう? 騙された気分は」
笑いながら訊ねてみると、
「あの……すみませんでした」
「ん?」
「……騙されてませんでした」
かわいらしい謝罪に破顔する。